金融ビッグバンの影響で登場したラップ口座が拡大しています。ラップ口座とは、銀行などの金融会社が提供している資産運用サービスです。難しそうな話は一切なく、一言で言うならば「人任せ」による投資運用方法です。もちろんその運用資金は提供する必要がありますが。まず、顧客から資金を預かります。そして、その資金をもとにして、株券や債券、もしくは投資信託商品を売買することで、資産運用していきます。
このことをいっさいがっさい包んで(Wrap)しまったものがラップ(Wrap)口座なのです。人気も高く、残高が拡大しているようです。脱デフレの期待を持ち、長期の資産づくりを目的とした金融商品の中では注目株ですよ。ラップ口座の取り扱いは、大和証券と野村証券、SMBC日興証券、三井住友信託銀行の主要4社が占めているようです。注目はラップ口座を取り扱う唯一の銀行、三井住友信託銀行ですが、戦略としてラップ口座に力を入れていく方針だそうですので、サービス面での充実が期待できます。
ラップ口座は一定のまとまった資産を証券会社などに預けて運用してもらいます。資産運用をその口座に預け入れた金額の範囲で一任することになりますが、あらかじめ大まかな方針などは取り決めることが出来ます。プロに預けて運用するという点では、投資信託やETAなどのファンドと共通する面があります。特に、インデックスに連動した運用益以上の利益を積極的に狙う方針のファンドとは共通性が高くなります。
投資信託などとの大きな違いは、手数料の設定方法や支払条件にあります。一般の投資信託などでは、利益も損失も購入者が負担し、損失が出ていても運用者に毎期運用の対価としての手数料を支払います。これに対し、ラップと名の付く口座では、手数料を利益が出ているときにだけ支払うという条件にしているものも多くあります。
これであれば、多少手数料が高くなっても、運用のプロに任せる実益があります。投資信託のアクティブファンドなどには、インデックス以上の収益を狙うファンドの多くは、手数料が高めなのに、市場平均以上の利益を上げられていないものが多いことからも、こうした手数料体系は運用を委託する一般の利用者にとってはメリットが高いと言えます。
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